通信制高校の基礎知識

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通信制高校の現状

最近、テレビ等のメディアで通信制高校に通っていたと語っている芸能人やスポーツ選手を目や耳に したことがある方も多いのではないでしょうか?
高校というと、平日は、ほぼ毎日学校に通う全日制の高校をイメージする方が多いですが、通信制高校 の現状は、どうなっているのでしょうか。

通信制高校の学校数と生徒数の推移

現代の日本は少子化を迎え、高校生の数も年々、減少をしています。平成29年度の文部科学省の学校基本調査の結果によれば、高等学校の在学者数は328万人で、前年度より2万9千人減少しています。 このような現状の中、実は、通信制高校は、学校数も学生数も増加をしています。
同調査によると通信制高校の生徒数は、18万2500人を数え、高校生全体の5%以上になります。

学校数・生徒数
学校数・生徒数

通信制高校の数は、1998年度になって100校に到達しました。その後、2003年度から従来の学校 法人の通信制高校だけではなく、株式会社でも通信制高校を開校できるように法改正され、2017 年度では250校にまで到達しました。

通信制高校の学費について ― 公立と私立の違い

全日制の高校に私立と公立の高校があるように、通信制高校にも、私立と公立があります。 学費についても、全日制の高校と同じように私立の通信制高校の方が公立の通信制高校よりも高いです。 ただし、私立の通信制高校はサポート体制や卒業率といった面で公立の通信制高校と比較すると大きな利点があります。

公立の通信制高校の学費

通信制高校で高校卒業資格を取得するために必要な単位数は、74単位です。 この単位数に、公立の通信制高校の1単位あたりの受講料を掛けた金額が入学金等の諸経費を除いた公立の通信制高校を卒業するまでの学費になります。受講料は都道府県によってやや異なりますが約330円程です。例えば東京都・愛知県の場合は¥336で、埼玉県・大阪府は¥330です。

公立の通信制高校の学費の概算
74単位×受講料¥336 (※東京都の例)=¥24,864

この金額に、公立の通信制高校の入学金¥500 。
その他、教材費や、日本スポーツ振興センターの共済掛金(3年間の場合で¥495)や、
レポートを郵送する際の費用等の諸費用がかかりますが、¥80,000程で済むことが多いです。

私立の通信制高校の学費

私立の通信制高校の学費は、教員の数や学べる内容や学習の質や学習のサポート体制が公立の通信制高校と比較すると大きく充実しているため高くなります。 私立の通信制高校の中でも、学校によっての違いや選択をするオプションコースによっての違いも あるため学費には大きな開きがあります。   あくまでも一例ですが、参考として私立の通信制高校の学費は、下記のようになります。

入学金 ¥10,000 ~ ¥70,000
1単位あたりの費用 ¥6,000 ~ ¥12,000 (平均的には、¥9,000程です)
その他、教科書代や施設利用料や
教育関連費用
1年間で¥30,000 ~ ¥100,000程 (平均的には、¥50,000程です)
私立の通信制高校の学費の概算
入学金¥15,000+74単位×¥8,000+その他費用¥50,000×3年間=¥757,000

1年間あたりの費用が¥250,000程になります。
※入学金を¥15,000で1単位あたりの費用が¥8,000、その他の年間費用が¥50,000で3年間で仮定。
※別途スクーリング費やコースのオプション費等がかかる場合があります。

公立通信制高校と私立通信制高校を比較すると学費の面で大きな開きがあると感じてしまうかも しれませんが、サポート体制が充実していることによる卒業率の高さから、通信制高校に通う高校生 の中では、私立の通信制高校に通う方の方が圧倒的に多いです。 卒業率では、公立の通信制高校では50%程に対して、私立の通信制高校は90%程という資料もありま す。また、公立の場合は、3年間で卒業する割合が非常に低く、中退率も高いのが現状です。 また、私立の通信制高校を選ぶ高校生が多い理由として、国から学費をサポートする就学支援金 が支給されることも挙げられます。

就学支援金について

就学支援金(高等学校等就学支援金)とは、平成26年4月以降に高校に新入学するに対して国から支給される支援金です。国に申請を出すことで全日制・定時制・通信制を問わず国から学費が支給されます。公立・私立も問わず支給がされます。 支給額は、私立高校(全日制・通信制)の場合は月額で¥9,900年間で¥118,800になり、学費の負担を軽減するために大きく役立ちます。

また、就学支援金は親権者の所得額によって支給がされない場合や、反対に規定の額よりも多く支給をされる場合もあります。支給がされないケースについては、親権者の「市町村民税所得割額」が合計¥304,200(年収¥9,100,000程度)の場合です。反対に、支給額が大きくなるのは、「市町村民税所得割額」が一定額に満たない私立高校生の世帯の場合です。年収で計算をすると、¥2,500,000程度未満の場合で2.5倍、¥2,500,000~¥3,500,000程度の場合で2倍、¥3,500,000~¥5,900,000程度の場合で1.5倍になります。

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/1342600.htm
(参考:文部科学省-就学支援金についてのQ&A)