通信制高校の基礎知識

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通信制高校に留年はあるの?

全日制高校から通信制高校に転入や編入をする際の多い理由の一つとして高校の留年が挙げられます。通信制高校に留年があるのかどうかを解説をするにあたって、全日制の高校に多い「学年制」の高校についてと、通信制高校に多い「単位制」の高校についての仕組みや違いから解説をしていきます。

「学年制」の高校について

全日制高校のほとんどは、「学年制」を用いていて全ての教科でテスト等での一定の成績と出席日数があれば高校1年生・高校2年生・高校3年生と進級をしていき3年生を終えると卒業ができ高卒資格の取得ができます。ただし、「学年制」の高校の場合は、他の教科の成績が優秀であったとしても一部の教科でテストの成績や出席日数が満たない場合は進級をすることができずに留年をしてしまいます。また、留年の原因となってしまった教科以外が優秀な成績だったとしても、その成績は一切認められずにその教科も含めて最初から勉強をし直さなければいけません。全日制高校の中にも「単位制」を用いている高校は平成5年度から出てきてはいますが、平成22年度時点で533校となっています。

全日制高校のほとんどの学校が「学年制」なのに対して、通信制高校のほとんどの学校は、「単位制」を用いています。分かりやすくするために1年生・2年生という言い方をする場合もありますが、「単位制」の場合は基本的には「学年」という考えがありません。そのため、単位制の高校には留年はありません。また、「単位制」の通信制高校の場合は、例え特定の教科で成績が満たずに「単位」の取得ができなかったとしても、それ以外の教科で取得した「単位」は認められるので全日制高校のように条件を満たしている教科を最初から学び直す必要はありません。取得ができなかった「単位」についても、次の機会に取得を目指すことができます。通信制高校を卒業するために必要な「単位」は74単位で、通信制高校に新入学または、転編入をした際には、高校卒業のための「単位」の取得に向けて履修科目の選択を行います。

「全日制」の高校から通信制高校への転編入

「学年制」を用いている全日制高校の場合は、「単位」は関係ないと考えがちですが、進級する際に30単位程の取得ができます。そのため、高校2年生は1年生から2年生に進級する際の30単位程、高校3年生の場合はさらに2年生から3年生に進級する際の30単位程が追加され60単位程の単位を取得をしていることとなります。全日制高校から通信制高校に転入をする際の多い理由の一つで、留年が決まってしまったからという理由がありますが、取得済みの単位を活かして通信制高校に転編入をすることができます。(一部、通信制高校にて移行できない単位がある場合もあります。)また、在籍をしている全日制高校で留年が濃厚になってしまい担任の先生などから「同級生と同じタイミングでの卒業が難しい」などと言われてしまった場合でも、早い時期(通信制高校に移行ができる単位数・学年・通信制高校によって異なるためあくまでも目安としてですが、初秋頃迄)に通信制高校へ転入をすれば、同級生と同じタイミングで卒業ができることもあります。